保険料の不払いの中で多かったんだが、人身事故を起こして、被害者が不幸にして死亡した場合、加害者としてお葬式に参列することになる。その際には当然、いくらかの香典を持参することになるだろ。突然、他人を死亡させたんだから、安い金額じゃかたづくわけない!これを定額で負担するのが、自動車保険対人賠償の臨時費用保険金なんだ。死亡の場合は香典代として定額の一五万円か支払われることになっている。その他、死亡に至らないケースについても、被害者が三日以上の入院をすれば、見舞金として定額の三万円を支払うことになっている。これら対人賠償における臨時費用保険金が支払われるようになった経緯を教えよう。対人賠償事故を起こしてしまった場合、香典や見舞金は加害者として当然持って行くが、領収書はどこからももらえるはずがない。保険会社としては、保険金として支払う以上、相手からの領収書または示談書に金額が盛り込まれていることが大前提なんだ。いつも人身担当者は領収書か示談書に書かれていない金額は払えないと断っていたんだな。しかし、契約者から払ってほしいというニーズは強かったため、臨時費用保険金として約款上定額を支払えるようにした。当然、人身担当者であれば、約款が変わったことぐらい知っているわけで、支払えるのはわかっていても、契約者、被保険者、代理店から言われないかぎり支払っていなかったというのが実態だ。人身担当者は頭悪いから気づかなかったというわけではないと思うぜ!結局は、請求のないものや、あとから言ってくる可能性の低いものは、支払い可能だとしても、担当者が面倒だから払わないんだ。これが損保の体質だよ。この臨時費用保険金は、まったく同じ内容で人身傷害特約でも支払うことになっているが、こっちのほうも対人賠償事故同様、かなりの支払い漏れが発生しているんだ……。書類にはんこを押していた上司も、これを不払いとはまったく認識してなかったようだぜ。